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堂郁 《童話》 アンソロジー

堂郁 《童話》 アンソロジー 「Children's Story Books」
堂郁 《童話》 アンソロジー 「Children's Story Books (仮)」

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りか

Author:りか
好きな作家(敬称略)
有川浩、小野不由美、荻原規子、茅田砂胡、雪乃紗衣、他。
好きなマンガ
持ってるマンガの半分くらいは白泉社コミックスです。
小説もマンガもアニメも映画もドラマも。
ハマッたら最後、何でも語ります!(笑)

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マイ・ブラザー&マイ・シスター

今回の図書館SSは 「マイ・ブラザー&マイ・シスター」 です。

とゆっても新作ではございませんです。

ぢつわワタクシ、以前 「ぱんだのお茶会」 というコレクション本に
参加させて頂きましてvvv

コレ、そのときに掲載して頂いたSSなんです。

久しぶりにご本を手に取ってみたんですが、2009年3月14日
発行だったんですねー

そういえば、オンリー合わせでしたわ。

あれからもう2年近く経つんですねえ...
いや~、早かったです!

とにもかくにも、ブログでは初公開ですvvv

時期は堂郁が結婚して8ヶ月後くらい、堂郁&大兄&静佳さんの
呑み会です。


マイ・ブラザー&マイ・シスター   


 「郁、篤君!」

声を掛けると二人が同時に振り返った。

 「あっ、大兄ちゃん!」

 「寒い中、待たせて悪かったな」

大兄がそう言いながら二人に近づくと、郁が手を振り堂上が笑顔で
会釈する。

 「二人とも久しぶり!結婚式以来だから8ヶ月振りくらいか?」

 「うん。そうだねー」

ニコニコ笑っている郁の隣で堂上が生真面目に挨拶を返す。

 「義兄さん、ご無沙汰しておりました」

ここは関東図書基地の近くにある居酒屋の店先だ。

今回出張で上京して来た大兄が、妹夫婦に一緒に呑もうと連絡して
来たのだ。

じゃあ、と言って店に入ろうとした堂上と大兄を郁が制した。

 「あっ、あの。実はもう1人来ることになってて」

 「えっ?もう1人って?」

堂上と大兄が同時に訊いたとき、郁が手を上げた。

 「あ、こっちでーす!」

手を振る郁の視線の先をたどると....やって来たのは静佳だった。

 「郁ちゃん、おっまたせー」

堂上が目を見開いた。

 「なっ、何でお前がっ!」

 「んふふ。郁ちゃんに誘われたからに決まってんじゃん」

堂上が勢い良く郁を振り返る。

 「大兄から連絡が有ったとき、コレは良い機会だなーって思って!
  えへへ。驚かせようと黙ってたんだー」

語尾にハートマークを付けそうな勢いだ。

 「ねっ!ねっ!篤さん、びっくりした?」

郁はいたずらを成功させた子どものような顔をしている。

静佳が大兄に向き直り、丁寧に頭を下げた。

 「篤の妹で静佳と申します。愚兄がお世話に...」

 「誰が愚兄だっ!」

郁の兄の前ではあるが、堂上が思わず突っ込みを入れる。

 「篤君も妹さんには形無しなんだな」

大兄の笑い含みの口調に、先ほどまでほんの少し緊張気味に見えた
堂上が完全に素になっている。

 「義兄さん。コイツには関わらない方が吉ですよ」

あまりに真顔で言うので、大兄が思わず吹き出した。


 ***


 「ま、おにーさん。おひとつどーぞ」

静佳が満面の笑みで大兄のグラスにビールを注ぐ。

 「あ、こりゃどーも」

それを受ける大兄も面白そうな笑顔だ。


今日は座敷の個室を予約していた。

堂上と郁が並んで座り、郁の向かいに静佳が、堂上の向かいに大兄が
座った。


静佳は一瞬、ちらりと堂上に視線を投げたあと、大兄の方を向いて
にっこりと微笑んだ。

 「やー、あたしこんなカッコイイおにーさんが出来てすっごい
  ウレシイですぅ~」

心なしか "カッコイイおにーさん" が強調されていたような気がする。

静佳の言葉に、堂上が微妙に複雑な顔をした。

それを受けて大兄が笑いながら返す。

 「俺もこんな可愛い妹が出来て嬉しいよ」

堂上は沈黙を守ったが、こちらは黙っていなかった。

 「可愛い妹ならココにも居るでしょ!」

郁がふくれっ面で言う。

 「別に大兄ちゃんなんかどうでもイイケドねっ!」

拗ねてしまった郁に静佳がニヤニヤと笑う。

 「そんじゃ郁ちゃん、いっそのことあたしとおにーさん取り替え
  ようか?」

 「ええっ! え――っとぉ...」

 「ふーん。やっぱりお兄さんは取られたくないんだ?」

静佳は完全にからかいモードだ。

やがて部屋の隅に目を泳がせていた郁がポツリと呟いた。

 「篤さんがお兄ちゃんになっちゃったら、困る...かも...」

静佳がぷっと吹き出した。

 「あらら、心配はそっちかぁ――」

堂上が憮然として言う。

 「小牧じゃあるまいし。俺はお前を妹のようだとか、初めて会った
  ときから思ったことは一度もないっ!それに、妹はもう十分間に
  合ってるっ!」


堂上が郁と初めて出逢ったとき―― そのとき、郁は制服姿の高校生
だった。

実の妹よりも年下の少女。

けれど最初からその少女は堂上にとって "女" であったと。


静佳が 「それはそれは、ごちそーさまデス」 と言うと、大兄が弾ける
ように笑った。


 ***


宴もたけなわになった頃。

 「あ、そうだ!」

大兄が部屋の隅に置いていた自分のカバンを引き寄せた。

中をごそごそと探ると

 「これ、お袋からお前に」

大兄が郁に差し出したのは厚い封筒だった。

 「何これ?」

 「開けてみろよ」

郁が封をしていない封筒から中身の紙束を取り出して広げると、それは
手書きのレシピだった。

 「これ...」

レシピをめくる郁から思わず声が漏れた。

 「そう。俺が出張で上京するって言ったら渡すように頼まれた」

 「もしかして、これを渡すために大兄ちゃん連絡して来たの?」

 「まあ、そうだ」

 「もう、お母さんったら...郵便だってファックスだって有る
  のに...」


本当は――

両親が結婚したっきりろくに連絡も寄越さない娘を心配していること。

そして自分に様子を見てきて欲しいと心中で思っていることを、この
長男は察していた。

郁と母の寿子はもう以前ほどのわだかまりは見られないのだが、やはり
郁は長年の苦手意識をすぐには払拭出来ないのだろう。

もちろん仕事が忙しいのもあるのだろうが。


 「郁はちゃんと奥さんをやれているのかって心配してたぞ」

寿子の言う 「ちゃんと奥さんをやる」 は、郁が家事と夫の世話をちゃんと
出来ているのかということだ。

郁と堂上は共働きだから家事を分担するのは当然のことだが、寿子に
その理屈は通じない。

それでも、十数枚の手書きのレシピに込められた母の想いはちゃんと
郁に通じた。

郁はそのレシピを抱きしめて大兄に笑った。

 「お母さんにお礼の電話しとくね」

隣の堂上が誉めるように郁の頭を軽く叩いた。


 ***


 「そろそろお開きにしようか」 という話が出た頃。

すでに郁はオチて、堂上の膝に頭を載せて眠っていた。

 「ほら、郁。帰るぞ」

堂上が郁の肩を揺するが、起きる気配はない。

 「ん――」

寝返りを打った郁がえへらっと笑って呟いた。

 「篤さん、おんぶ...」

静佳と大兄が同時に吹き出した。


郁の 「おんぶ」 を聞いたのは二十数年ぶりだ。

郁は子どもの頃から3人の兄の後ろをついて回っていた。

下の二人は年が近かったせいか体格が郁とそう変わらず、3人の兄の
うち郁が 「おんぶ」 をねだるのはいつも自分だった。

郁はすぐに兄達について行けるようになったので、それはほんの
一時期のことだったが。

 「大兄ちゃん、おんぶ――」

子どもの頃の郁の声を懐かしく思い出した。

郁は堂上と付き合うようになった頃からどんどん綺麗になった。

けれど今 「おんぶ」 と口にした郁の中身は、自分から見るとあの頃と
さほど変わっていないように見える。

しかし――

郁はもう自分の 「妹」 だけではなく 「堂上篤の妻」 というカテゴリー
に入っている。

郁がこんなふうに無防備に甘えるのは、もう兄の自分ではなく夫の篤
なんだと今更ながら気付いた。



堂上がぺちぺちと郁の頬を叩く。

しかし、起きる気配はない。

 「...ったく、仕方ないな」

口では 「仕方ない」 とか言っているが、堂上の顔と態度は "仕方ない"
ようには全く見えない。

そして、慣れた様子で郁を背負う兄を見て静佳は

 『ああ、今までもこうやって兄貴は郁ちゃんの面倒を見て来たん
  だなぁ』

と、なんとなく納得した。


 ***


4人揃って店の外に出たとき、堂上に負ぶわれた郁が何か言ったよう
だった。

 「ん? 何だ?」

堂上が振り向き、背中の郁に顔を寄せる。

...えへへ、あったかい...

 「...バカ」

静佳は兄の口からこんなに甘い 「バカ」 を初めて聞いた。

それじゃあ...と、堂上は大兄には礼儀正しい挨拶を、静佳には
「またな」 と一言残し、郁を背負って帰って行った。


残された静佳と大兄は、なんとなく二人の後ろ姿を見送っていたが
ふと、静佳が言った。

 「おにーさーん。これからお時間、有りますかー?」

 「お時間、有りますよー」

大兄も正面を向いたまま答えた。

 「良かったらどこかで呑み直しませんかー?」

 「いいですねー」

静佳がため息をついて、初めて大兄を見上げると力なく笑った。

 「何とゆーかね、あたしもう強いお酒を呑みたい気分なんです」

 「同感」

大兄が力強く頷く。

次の河岸は、静佳行きつけの各地の地酒が揃っているという店に
決まった。

二人並んで歩き出す。

 「静佳さん、酒に強そうだね」

大兄の問いに静佳が悪戯っぽく笑う。

 「あたしは負ぶって貰うようなことにはなりませんから、どうぞ
  ご安心を」

堂上兄妹は父に似たのか、二人ともザルだった。

 「それは残念」

大兄も愉快そうに笑う。

それにしても...と静佳が言葉を継いだ。

 「さっきのアレは、我が兄ながら...」

 「それを言うならお互いさまだよ」

これで二次会の肴は決まった。

静佳と大兄は顔を見合わせてため息をつくと、どちらともなく穏やかな
笑顔を浮かべた。


☆ ははは。サスガに 「堂上夫妻について 大兄より」 とは
   付けられませんでした。(笑)


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