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堂郁 《童話》 アンソロジー

堂郁 《童話》 アンソロジー 「Children's Story Books」
堂郁 《童話》 アンソロジー 「Children's Story Books (仮)」

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りか

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有川浩、小野不由美、荻原規子、茅田砂胡、雪乃紗衣、他。
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持ってるマンガの半分くらいは白泉社コミックスです。
小説もマンガもアニメも映画もドラマも。
ハマッたら最後、何でも語ります!(笑)

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ありままさんから頂き物SS 『まだ気付かない』

LaLa5月号の特別編を踏まえて書かれた、ありままさんの
SSですよーvvv

「お持ち帰りしても良いよ」 という、太っ腹なお言葉に、エンリョ
無く頂いて来ました♪

それでは!

ありままさんから頂き物SS 『まだ気付かない』 です!
どぞvvv


『まだ気付かない』


男子寮でまことしやかに流れる噂。

それは、まだ、男子寮内だけでひそひそと囁かれるだけだったが、
事態の収束を待たず、女子寮にも飛び火した。

 「だから、私好きな人いるから、あなたとお付き合いできません」

課業後の官舎裏で、そんなやり取りをする男女。

取り立てて珍しい光景ではなかったが、男はいつにもまして強気
だった。

 「君の好きな人って、手塚だろ? 手塚は柴崎さんと付き合い
  始めたって聞くよ。諦めて、俺にした方がいいんじゃない?」

パシーン。

いい音がして、男が頬を抑える。

 「・・・さいってー、ねっ!! よくもまぁそんなデマをっ」

 「デマじゃないって、男子寮では持ちきりだって。3駅隣の茶店で
  2人が会ってたのを見たやつがいるんだよっ!!」

 「・・・うそ・・・」

顔面蒼白になった女が呟く。

男は畳みかけるように言葉を重ねた。

「嘘じゃないって。あいつらもともと仲いいじゃん。高根の花同士
 くっついて、こっちで泣いてるやつだって大勢いるんだぜ、
 だから、さ」

 「やっ、信じないっ!!」

走って逃げた女に、追いうちをかけるように男は叫んだ。

 「手塚は早く諦めろ、柴崎さんに勝てるやつなんていないぞ、
  おれで我慢しとけってー」

このやり取りを聞いたのか、この叫びを耳にしたのか、それとも、
件の女が誰かに相談、もしくは愚痴を零したのか・・・。

知らず知らず、噂は女子寮にも浸透していた。


 「・・・で、あんたが確認に来たってわけ・・・」

仕事上がりに声をかけてきたのは広瀬だった。

つい先日まで、散々朝比奈との仲を取り持とうとしていた広瀬だが、
この噂を聞いて傷心していた意中の男に、現在猛烈アプローチ中
だという。

あまりに甲斐甲斐しい攻勢に、相手が落ちるのも時間の問題と
言うのがもっぱらの噂である。

広瀬としても、ここは事実関係を確認して、彼との仲を進展させたい
という腹なのだろう。

柴崎は大きくため息をついた。

男子寮で噂になっていることは聞いていた。

いずれこうなるだろう予測もついたので、別段驚きはしない。

さて、どうしようかと思ったときに、査問で辛い思いをしている同期の
顔が浮かんだ。

 「実際のところ、どうなのよ?」

聞いてくるのは広瀬だが、周りで仕事をしている(フリをしている)
女子館員の耳は、こちらへと傾いている。

 「一緒にお茶したことは否定しないけどね、あんた達が期待してる
  ようなことは一切ありませ~ん」

むしろおどけたように言い放つと、広瀬が 「お茶したことは事実
なんだっ!!」 と喰いついてきた。

 「なになに? もしかして手塚はそのつもりで誘ったのに、あんた
  また断ったわけ?」

「だから、なんであたしが男とお茶してきたら、告白されるの限定
 なわけ?」

 「いや、だって、ねぇ」

 「そんなんじゃないわよ。ただちょっと・・・」

言い淀んだところで、広瀬が声を落としてきた。

 「なに? 何か言いづらい話?」

 「まぁ、要は笠原の話なんだけど・・・」

聞き耳を立てていた数人が、硬直したのがわかった。

査問が打ち切られ、身の潔白を証明したものの、まだ郁の寮内での
立場は微妙なままだった。

 「なんでそこで笠原が出てくんのよ」

得意の天然ぶりで広瀬が訊く。

柴崎はそれを待っていたと言わんばかりに、小声で、でも耳を
澄ませば聞こえる程度の音量で、話し出した。

 「だって、手塚は笠原と同じ班じゃない。仕事中のことは気にかけて
  ても、寮内のことまでは分からないでしょう? 
  そういうメンタルでダメージ受けて、仕事に支障をきたしたらしわ
  寄せは手塚が被るんだし」

同期だから、と付け加えて心で舌を出す。

もし仕事に支障をきたすことがあれば、真っ先に割りを食うのは班長
である堂上だ。

でも、ここでは言わないことにする。
 
 「だから、寮内の様子を聞かれてたのよ。笠原が女子寮でどういう
  扱いを受けてたか・・・」

ごくりと、息をのむ音がした。

 「で、あんたなんて答えたの?」

 「まぁ、あたしが見た通りのことを話したわねェ。さすがに個人名を
  出すほど、チェックしてたわけじゃないけど」

あからさまに中傷した人がいなかったことが救いか。

 「手塚は同僚思いだし、一緒に作戦やる身としては気になったんじゃ
  ないの? 同室のあたしをわざわざ呼び出して聞きたいくらいには」

これは、その場にいた全員への牽制だ。

実際、笠原の査問に自分の兄がかかわっていた事実が発覚したことで、
手塚は郁に多少の負い目を持っている。

それは、ここにいる館員に教えてやる義理はないのだが。

 「じゃあ、手塚は笠原が心配であんたに話を聞きたかっただけ?」

 「そうよ、他に何があんのよ?」

 「わざわざ、3駅隣の喫茶店まで出向いて?」

 「だって、図書館の近くで話して、笠原の耳に入ったら、また
  うるさいじゃない」

これには広瀬も納得した。

郁なら、そんな心配されるほど弱くないと啖呵を切りそうだ。

 「ってなわけだから、笠原が落ち込んでるとまた手塚が探りいれて
  くるかもしれないから、そこんとこよろしくー」

柴崎は、言いたいことはすべて言ったという顔をして、部屋から出て
行った。


**********


 「最近、おっかしいんだよね」

風呂上りのアイスを食べながら、郁が首をかしげて見せた。

 「何が?」

柴崎は、ドライヤーで髪を乾かしながら、鏡越しに郁を見た。

 「いや、査問が終わったからかもしれないけど、みんなが以前より
  熱心にあいさつしたり、声掛けてきたりすんのよ」

 「ああ」

それは、手塚に嫌われたくない人々の、報われない努力のたまもの
だったりするのだが、ここでネタを割る義理もない。

 「柴崎、なんか知ってる?」

 「ただ単に、謂れのない査問であんたを悪者扱いしちゃったから、
  罪悪感から声掛けてるだけじゃないの? 気にする必要なんてない
  わよ」

 「そんなもん?」

 「そんなもん」

そっかぁ、と納得したようにアイスを食べる郁が、ようやく笑える
ようになったことが嬉しい。

郁のおかげで、手塚と付き合っているという、身も蓋もないうわさは、
その日のうちに終息した。

噂が現実になる近い未来に、柴崎も手塚も、まだ気付かない。


Fin


☆ ありままさんってば、相変わらず上手いなあvvv
  柴崎ならホントに有りそうなエピソード♪
  いつも思うのですが、ありままさんの書かれるSSは単独で
  成り立ってるところもスゴイと思うのです!


※ 当方は、ありままさんから掲載許可を頂いております。
  こちらからの勝手なお持ち帰りはご遠慮くださいませ。

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