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堂郁 《童話》 アンソロジー

堂郁 《童話》 アンソロジー 「Children's Story Books」
堂郁 《童話》 アンソロジー 「Children's Story Books (仮)」

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りか

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有川浩、小野不由美、荻原規子、茅田砂胡、雪乃紗衣、他。
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小説もマンガもアニメも映画もドラマも。
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ロマンシング・エイジ 堂郁Ver.

今回の図書館SSは 「ロマンシング・エイジ 堂郁Ver.」 です!

いやいや~ 久しぶりの図書館SSになっちゃいましたー

やっぱせっかくの新作ですから、ココは1本書いておかねば!と、
思いましてネ。(笑)

楽しんで頂けるとウレシイですvvv


ロマンシング・エイジ 堂郁Ver.


毬江が高校を卒業した日の夜。

その日、有給を取っていた小牧が酒持参で堂上の部屋にやって来た。

 「何だお前、早かったな。毬江ちゃんとお祝いしてるのかと思ってた」

意外そうに言う堂上に小牧が苦笑した。

 「やっぱり、夜くらいはご両親に返してあげないとね。毬江ちゃんは
  一人娘だし」

それに...と、それはさり気なく付け足された。

 「これから先は俺の方がずっと毬江ちゃんを独占しちゃうんだからね」

堂上はちょっとビックリしたように片眉を上げたが、すぐに笑顔に
なった。

 「それじゃ、乾杯するか!」

 「ああ、サンキュ」

小牧の持ってきた缶ビールのプルタブを二人同時に引き開ける。

カツン。

お互い無言で缶を重ね合わせた。

半分程まで一気に飲み干した堂上がテーブルに缶ビールを置くと、
乾き物の袋を開けた。

小牧に勧めるように袋ごと押しやる。

 「で、卒業式はどうだった?」

そうだなあ...

小牧が天井に視線を泳がせた。

どうやら今日の毬江を思い浮かべているようだ。

 「もう、毬江ちゃんの制服姿を見ることが無いんだと思ったら感慨
  深かったよ」

 「ああ、そうだな」

反射のように相槌を打った堂上を、小牧がチロリと横目で見た。

 「そんで、オシャレして薄化粧をした毬江ちゃんはもう "大人の女"
  にしか見えなくて困ったよ」

 「...それって困ることなのか?」

怪訝そうな顔で訊いて来る堂上に小牧はちょっと意地悪な笑顔を
向けた。

 「去年笠原さんが囮になったとき、その姿を正視出来なかったお前と
  同じような気持ちって言えば分かるかな?」

途端に堂上の顔が仏頂面になった。

無言で残りのビールをあおった堂上は黙秘を決め込んだようだ。

 「女の子って、こっちがうかうかしてたらあっという間に "女" に
  なっちゃうからね」

そう言って笑う小牧に堂上が仏頂面のままの顔を向けた。

 「そりゃ、毬江ちゃんは...だろ?」

 「笠原さんも、だよ」

断言する小牧に堂上はあくまで懐疑的だ。

 「...あれが女らしくなったところなんざ想像がつかん」

確かに囮捜査のときの郁は見違えるように綺麗になっていたが、郁は
その姿のままで大外刈りに入ろうとしたのだから。

 「そんなことを言ってると足元をすくわれるよ?」

クククと引くように笑っていた小牧が急に真顔になった。

 「一年後」

その言葉に堂上が小牧の顔を正面から見返した。

 「一年後を見てると良いよ?きっと今のセリフは言えなくなってるから」

以前付き合っていた彼女に掛けられた呪いを、今度は小牧が堂上に
掛けた。

一年後、その甘い呪いが発動したとき、堂上はどんな顔で彼女の隣に
居るのやら。

それを想像すると笑いが堪えきれない小牧だった。


 ***


そんな話をした日から一年後。

敦賀原子力発電所テロに端を発した当麻争奪戦の収束は未だ見え
なかったが当麻の保護が秘匿ではなくなったため、特殊部隊の公休
ローテーションもようやく復活することと相成った。

けれど、堂上と郁の間で交わされた 「次回の映画」 の約束は果たされ
てはいない。

その日の堂上班は館内警備で、郁と堂上が閲覧室に足を踏み入れると
手塚がカウンターのところに居るのが見えた。

 「手塚、何やってんの?小牧教官は?」

振り返った手塚の影から柴崎がひょっこり顔を出した。

小柄な柴崎は手塚の影になって郁からは見えなかったのだ。

にっこり笑った柴崎が視線で示す方向を見ると、小牧と毬江が立ち話を
しているのが見えた。

 「小牧教官、もしかして毬江ちゃんと久しぶりに会ったんじゃない?」

当麻の警護が始まって2ヶ月。

その間、メールを交換することすらままならず、この偶然の邂逅が
どんなに嬉しかったか、毬江の表情を見ればすぐに分かる。

 「で、あんたは何してんの?」

郁が手塚を見上げる。

 「俺は今、トイレに行っている。それで小牧二正に閲覧室で待って居て
  貰っている」

完全な棒読みセリフに郁が思わず吹き出した。

 「ね、この男にしちゃ気が利いていたと思わない?」

からかうような口調の柴崎に、手塚は拗ねたようにぷいっと横を向いた。

郁と柴崎はお互いに顔を見合わせると、手塚に聞こえないようにこっそり
笑い合った。

堂上も手塚と同じ思いだったらしく、小牧と毬江には知らんぷりの態だ。

郁が小牧と一緒に居る毬江に視線を向けながら、ほうっとため息を
ついた。

 「毬江ちゃん、前から可愛かったけど最近とみに綺麗になったよねえ」

 「そうね。それに大人っぽくなったわ」

同調した柴崎が郁をちらりと見る。

 「でも、あんただってちゃんとしたカッコしたら中々のもんだわよ?」

ねえ、堂上教官?

にんまり笑った柴崎が、我関せずを貫いていた堂上に話を振った。

 「ああ、気負いすぎずに似合ってた」

サラリと言った堂上に、郁が真っ赤になった。

 「あっ、あれはいかにも "勝負服" ってカンジだと引かれると
  思って...」

言い訳のように言い募る郁の言葉を柴崎が遮る。

 「ちょっと笠原、あんた達一体いつの話をしてるのよ?」

 「え...いつの話って...」

思わず郁が堂上を見ると、堂上も意味が分からないような顔をしていた。

 「あたしは囮捜査のときのことを言ってたんだけど?」

 「「あ...」」

思わず漏れた二人の声がシンクロした。

 「へえ。そうなんだー。あたしがコーディネイトしたミニスカより、
  笠原が自分で選んだ服の方が堂上教官は似合ってるって思ったん
  ですねー」
  
腕組みをしながら 「あたしのセンスが笠原より下ってことは有り得ない
わよね...」 と勝手なことを呟いている柴崎の横で、郁はそっと堂上
の様子を窺った。

うわっ!何でココで優しく笑うかな!

堂上が郁の頭をポンと叩いた。

 「そろそろ次に行くぞ」

 「はいっ!」

二人揃って閲覧室を出ようとしたとき、背中に柴崎の声が掛かった。

 「次のデートこそ、あたしがコーディネイトしてあげるからね!」

堂上と郁の足が止まり、同時に振り返る。

 「「デートじゃないっ!」」

又もシンクロした二人に、柴崎が吹き出した。


 ***


堂上と郁が付き合い始めてそろそろ8ヶ月が経つ。

決して早いとも順調とも言えない進展速度であったが、この二人らしい
歩みとも言えた。

そんなある日、吉祥寺の武蔵野第二図書館で立てこもり事件が発生
した。

出動要請に応じて堂上班と進藤が急行し、郁が囮として現場に投入
された。

そして、異例のスピード解決を成し遂げたこの日の夜。

小牧がいつものようにビール半ダースを片手に堂上の部屋に来ていた。

 「今日はお疲れだったね」

ビールを差し出しながら労いの言葉を掛ける小牧に堂上が答えた。

 「いや、今日一番の殊勲者は笠原だ」

あの緊迫した状況にひとり投げ込まれて、しかもどんな反応をするか
分からない犯人を相手に最高の成果を上げたのだ。

 「そうだね。笠原さん、ホント成長したよね。もうどこに出しても
  恥ずかしくない、自慢の部下になったよ」

 「ああ」

即座に同意した堂上に思わず笑みがこぼれた。

このことを郁が知ったらどんなに喜ぶだろう。

いつも難しい表情をしているこの友人の顔がほころんでいる。

部下の成長は上官として、やはり嬉しいらしい。

苦笑しかけた小牧が、ふと思い出したように言った。

 「そういえば、笠原さんの同期の奴らが騒いでたみたいだね」

 「何を?」

怪訝そうに尋ねた堂上に小牧がにやにや笑いを向けた。

 「どうやら囮用の服を着替える前に見られちゃったらしくて」

郁は帰還してすぐにいつもの戦闘服に着替えたが、車を入れる格納庫
から特殊部隊の庁舎に行くには400mトラックのそばを通る。

訓練中の防衛員が更衣室に向かう郁を見掛けてもおかしくは無い。

堂上の顔がどんどん不機嫌な方向に向かっているのが手に取るように
分かった。

もう上官の顔から彼氏の顔になっている堂上に、小牧は吹き出す
寸前だ。

そのとき、堂上の携帯が鳴った。

すぐに鳴り止んだのでメールらしい。

 「どうぞ」

小牧がビールを呑みながら促す。

 「悪い」

小牧に一言断って、堂上が携帯を開いた。

液晶画面をじっと見つめる堂上を小牧がニヤニヤ笑いで見ていたが、
堂上は気付かない。

 「...じょう...堂上ってば!」

 「えっ」

小牧の声に我に返る。

堂上が顔を上げると小牧が笑顔でこちらを見ていた。

 「笠原さんから?」

 「何で分かる?」

 「顔が緩んでいたから」

 「.....」

堂上の顔が渋くなったが、これは照れ隠しだと分かるくらいには付き
合いが有る。

 「よっぽど嬉しい事が書かれてたみたいだね」

 「...言わないからな」

 「わざわざノロケを聞く趣味はないよ。それより返信してあげたら?
  笠原さん、きっと待ってるよ」

堂上は無言で携帯を操作したかと思うとすぐに閉じた。

 「もう良いの?恋人としての言葉は惜しんじゃダメだよ」

 「大丈夫だ。あいつはちゃんと分かるから」

小牧が目を瞠った。

 「なっ、なんだ?」

思わず引き加減になった堂上に小牧が笑う。

 「いやいや、恋人同士らしくなったなあって思ってさ」

 「お前はどこぞの世話焼きオジサンか!」

そう言い放つと、堂上はビールを一気にあおった。

耳が赤くなっている。

 「お前の方こそ最近どうなんだ?」

堂上が小牧に話を振ったが、これも照れ隠しが濃厚だ。

 「順調だよ」

小牧がすまして答える。

 「お前ってホント、弱みを割らないヤツだよな」

不機嫌ヅラの堂上に小牧がいなすように言った。

 「お前のとこは良いよ。俺のとこは毬江ちゃんが大学を卒業するまでは
  現状維持だからね」

お前のとこはいつでも次に行けるだろう。

そう言われて、堂上は頬杖をついて小牧から顔を背けた。

 「うるさい!こういうのにはタイミングってもんがあるんだよ!」

 「そんな呑気なことを言ってて、逃げられても知らないよ?」

小牧の冗談が冗談にならなくなるとは、この時の二人には思いも寄ら
ない。

結局。

すったもんだの挙句、堂上がその "タイミング" をつかめたのはこのとき
から8ヶ月後のことだった。


 ☆ 正化33年、34年、35年の春の話です。
    堂上さんと郁ちゃんのロマンシング・エイジvvv
    少しずつゆっくりと近づいていく二人です。

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二日連続ですみません!

すっご~~~~~~く面白かったです!

特に堂郁のベタ甘さ加減がハンパないですね!!
こんなにたくさんのSSが読めると思ってなかったのでびっくりしました!
読んでて胸がきゅ~んとしました(笑)
1年後のときの二人の勘違いのとことかさすが堂郁!と思いました!!(笑)

これからもSS楽しみにしております(^^)

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