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堂郁 《童話》 アンソロジー

堂郁 《童話》 アンソロジー 「Children's Story Books」
堂郁 《童話》 アンソロジー 「Children's Story Books (仮)」

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りか

Author:りか
好きな作家(敬称略)
有川浩、小野不由美、荻原規子、茅田砂胡、雪乃紗衣、他。
好きなマンガ
持ってるマンガの半分くらいは白泉社コミックスです。
小説もマンガもアニメも映画もドラマも。
ハマッたら最後、何でも語ります!(笑)

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王子様を探せ!

今回の図書館SSは 「王子様を探せ!」 です。
時期は 「別冊Ⅱ」 の 「昔の話を聞かせて」 辺りです。

今回のは今まで書いたSSの中でイチバン長いかも?です。

ホントは前後編にして分けようかとも思ったのですが
そのつもりで書いてなかったのでどこで切ったら良いか
分からなくて...まあ、いっか!とゆーことで。(笑)


王子様を探せ!

 「堂上教官――!」

甲高い声に呼ばれて郁は振り返った。

今日の堂上班は館内警備で、郁は堂上とバディを組んで巡回路を
回っていた。

 「あら、安達。どうしたの?」

郁に声を掛けたのは今年の新隊員で、郁と手塚がその教育訓練の
教官を受け持っていた。

彼女はその後、防衛部に配属されている。

こちらも今日は館内警備らしくスーツ姿だ。

安達はキリッと敬礼すると

 「堂上教官と堂上一正にお客様です。今、特殊部隊庁舎にご案内
  するところでした!」

 「え?お客様?」

郁と堂上が首を傾げてお互いの顔を見合わせた。

すると安達の影からひょっこり顔を出したのは...堂上の妹、
静佳だった。

 「はーい!郁ちゃん、兄貴、ご無沙汰でしたー」

 「静佳さん!」

郁は思わず駆け寄った。

キャー、久しぶり―― ゲンキだった?

郁と静佳は手を取り合って再会の挨拶を交わす。

一通りの挨拶が終わると、郁が静佳に向き直った。

 「突然でビックリしました。どうしたんですか?」

 「ん。実はね、二人に頼みごとが有って」

そこまで黙ってコトの成り行きを見ていた堂上がいきなり180度、
身体を反転させた。

 「ちょ、どうしたんですかっ?」

今にも歩き出そうとしていた堂上のスーツの裾を、郁が掴んで
止めた。

 「こいつの 『頼みごと』 にろくな事は無い。関わらない方が
  吉だ!」

 「そっ、そんなっ。実の妹さんのこと、そんなふうに言わなく
  ても...」

 「実の妹だからだ!俺がこいつに子どもの頃からどんな目に
  遭わされて来たか知らないからそんなことが言えるんだっ!」

どうやら堂上兄妹には壮絶な過去が有るらしい。

 「あ―― それじゃあ、兄貴は良いわよ。郁ちゃんだけで」

裾を掴んでいる郁の手を外そうとしていた堂上の手がピタリと
止まった。

静佳がにっこりと堂上に微笑んだ。

その顔には 『郁ちゃんを助けたかったら手を貸せ』 と貼ってあった。

堂上は一瞬ぐっと詰まったが、やがてため息をついて肩を落とした。

 「分かった。一応、話だけは聞いてやる」

 「んふふ。夫婦愛って素晴らしいわ」

堂上兄妹の攻防戦は一応の決着をみたようだが、それは郁には
見えない戦いだったので、いつの間にか着いてしまった話に首を
ひねることになった。


 ***


結局、堂上と郁が昼休みに入るまで静佳は閲覧室で時間を潰し、
図書館の食堂で昼食を取りながら話を聞くことになったのだが...

 「おい、何でお前らまでここに居るんだ?」

堂上が不機嫌ヅラで見やった先には、小牧、柴崎、手塚が揃って
席に着いていた。

 「いや~、堂上の妹さんが来てるって聞いて、これは是非挨拶
  しなきゃと思って」

小牧がにっこり笑い、柴崎が同意の会釈をし、手塚は
「いや、俺は...」 などと口の中でブツブツ言うものだから、
柴崎に肘鉄を食らった。

堂上が仏頂面で何も言わないので、郁が皆を静佳に紹介する。

静佳はにこやかな笑顔で挨拶を受けると、居住まいを正した。

 「結婚式で皆さんのお顔だけは存じておりました。篤の妹で
  静佳と申します」

申し分の無い挨拶だったが、続いた言葉は

 「頑固で意固地な兄ですから、周りの皆さんが大変だと思い
  ますが、どうぞよろしくお願いしますね」

と、深々と頭を下げた。

 「貴様にそこまで言われる筋合いはないっ!」

堂上の怒鳴り声に郁が慌てて割って入る。

 「あっ、あの、静佳さん、その 『頼みごと』 って何ですかっ!?」

すでに小牧は上戸が入っており、柴崎もニヤニヤ笑いで見守って
いる。

 「実はね」

静佳が郁に向かってテーブルに乗り出した。

 「図書特殊部隊に居るはずの王子様を探して欲しいのよ!」



それはもともと、静佳の学生時代からの友人の頼みだったそうだ。

この友人には歳の離れた妹が居て、現在高校生だという。

そして、つい先日のこと。

この妹がライブの帰りにナンパされ、断ると男たちが絡んで来たと
いうのだ。

 「で、そのときに颯爽と助けてくれた人が居たんだって!」

 「へぇ~、カッコイイじゃないですか!」

 「でっしょ―――!」

すでに静佳の話す対象は郁に限定されている。

その 『王子様』 はやたらと強く、あっという間に3人をのしたという。

 「でね、その男たちを警官に引き渡す時、身元を訊かれた
  その人は 『図書特殊部隊勤務』 って答えたんだって――」

 「へぇー、で、名前は何ていうんです?」

 「それがね、警官に名乗ったときには聞き損ねちゃって、あとから
  訊いたら教えてくれなかったそうなのよ」

 「あらら」

ウチのお調子者軍団に女の子を助けて名乗らず去って行くような
奥ゆかしい人が居たのかと、郁は内心驚いていた。

 「まあ、名前を知っていたら兄貴と郁ちゃんに 『王子様探し』 を
  頼むことも無かったんだけど」

静佳が再び身を乗り出した。

 「あたしの兄夫婦が 『図書特殊部隊』 に所属しているって、
  その友人が知ってて話が回って来たわけなの」

 「なるほど」

頷いた郁が堂上を振り返った。

 「じゃあ、隊のみんなに訊けばすぐ分かりますよね」

同意を求めた郁に堂上はつれない声を出した。

 「俺は知らん。話だけは聞いてやるとは言ったが手を貸すとは
  言ってない」

郁がふくれっ面になった。

 「もう!じゃ、良いですよ。あたしが一人でやりますから!」

郁は静佳に向き直ると

 「あたしだけになっちゃいましたけど、良いですか?」

と訊いた。

静佳は感極まったように郁の手を両手で握り締めた。

 「ありがとう。郁ちゃん! やっぱ頼りになるのは実の兄より
  義理の姉妹よね!」

 「そっ、そーデスね」

思わず腰が引けた郁だったが何とか笑顔で返した。


そろそろ昼休みが終わるので、堂上夫妻は静佳を門まで送った後
そのまま館内警備に戻るという。

小牧と手塚と柴崎に、丁寧な別れの挨拶を述べた静佳は笑顔を
残して帰って行った。

その後ろ姿を見送りながら柴崎が感心したようなため息をついた。

 「いや~、静佳さんってやり手よね」

 「あはは。そうだねぇ。あの堂上の妹とは思えないよね」

柴崎と小牧の会話に手塚が怪訝な顔をする。

 「別にね 『王子様』 って単語を使う必要なんて無いのよ。
  『恩人』 の方がこの場合は的確だし」

それをあえてわざわざ 「王子様を探して」 なんて言い回しをしたか?

 「笠原が 『王子様』 に釣られないわけがないのよ。まあ、実際
  あっさり釣られちゃったしね」

 「でも、堂上一正はその 『王子様』 が出て来る度にイヤそうに
  してたけど」

手塚の疑問に柴崎はパタパタと手を振った。

 「そんなもん、笠原さえ巻き込めば堂上教官が黙って見ている
  わけないでしょ?」

 「そうそう。堂上、見切られてるよね」

そこまで妹に見越されている兄というのもアレだが、それを同僚と
教え子に見通されているというのも気の毒な...と思いかけた
ところで手塚はハッと気付いた。

同僚と教え子、つまり自分にとっては上官と同期。

しかも、自分には妹は居ないがやっかいな兄が居る。

尊敬する上官のとても他人事ではない環境に、手塚は心から
同情したのだった。


 ***


翌日。

郁は全体の朝礼が終わる頃 「すみません。ちょっと良いですか?」
と手を上げた。

 「ん? 笠原、何だ?」

そう言ったのは緒形副隊長だ。

玄田隊長は奥多摩訓練に行っている2班に同行しているので
不在だ。

 「実は ――― 」

郁は立ち上がると昨日の静佳の話を簡単に説明した。

 「それで、心当たりの有る方は申し出て欲しいんですけど」

そこまで話したとき、堂上の呟きが聞こえた。

 「このバカが...」

 「何がバカなんですかっ!」

郁が堂上に向かって食ってかかる。

そのとき、郁の背中に声が掛かった。

 「あ―― 笠原、ソレは俺だ!」

 「えっ!」

郁が勢い良く振り返り...そして、絶句した。

 「あっ、あんた達は―― 」

特殊部隊は総勢50数人。

そして現在奥多摩行きの隊員を除いても事務室には40人近くが
居る。

その内のおよそ半数、20人以上の隊員が手を挙げていた。

 「もっ、もう!高校生相手にナニ考えてるんですかっ!
  あんた達はっ!」

郁が思わず怒鳴ると、しれっとした隊員から声が上がる。

 「いや~、今からコナ掛けておけば5年後に美人になって
  会いに来てくれるかも知れないし」

あちこちからクスクス笑いが起こる。

 「そっ、そんな都合の良い...」

郁があきれて物も言えないという風情で言葉を詰まらせた。

そのとき又、別の方向から声が掛かった。

 「成功例がそこに居るしな!」

事務室がドッと爆笑に沸いたが、ただ一人堂上だけが
仏頂面だった。


 ***


 「何でホントのこと、言ってくんないんですかぁ―― 」

隊員達が 『王子様』 を探して右往左往している郁をからかって
いるのは明白で、それが堂上には面白くない。

そして、しびれを切らした堂上がとうとう 「王子様探し」 に乗り出す
ことになった。


それは郁が朝礼で隊のみんなに 『王子様』 の話をした2日後の
夜のこと。

食事が終わると堂上から郁に切り出した。

 「お前、静佳の例のアレ、もう当ては付いているのか?」

どうしても 『王子様』 という単語は使いたくないらしい。

 「まだ、全然...こんな難航するとは思わなかったなぁ」

郁がため息をついた。

 「分かった。さっさと片付けるぞ。明日から早速始めるからな」

 「えっ!篤さん、手伝ってくれるの?」

郁が期待に満ちた顔で見つめてくる。

「一人でやる」 と言った手前、自分からは言いにくかったようだ。

 「ああ。隊長が奥多摩から帰って来るまでに終わらせないとナニ
  言われるか分かったもんじゃないしな」

 「わーん。ありがとう。うれし―― 」

郁は椅子から立ち上がると、座っている堂上の横から抱きついた。

 「この件が片付いたら、何でも一つだけ篤さんの言うこと
  きいちゃうからね!」

この台詞は元々、堂上が全面的に自分の非を認めたときの和解の
申し入れの台詞だったのだが最近は郁も良く使うようになっている。

堂上は郁に口付けながらも 「そのセリフ、ちゃんと覚えてろよ」 と
しっかり念を押すことは忘れなかった。


 「とうとう旦那のお出ましか!」

隊のあちこちからからかい口調で言われたが、知ったことか!

郁は堂上の指示で 「我こそが!」 と主張する隊員の名簿を作った。

そして個別に、当事者しか知り得ない事実を確認し、該当しない
隊員を一人一人潰していった。

 「その女子高生を助けた場所はどこですか?」

 「彼女はどんな服装でしたか?」

小牧と手塚も巻き込んだおかげで、あっと言う間にどんどん
残り人数は少なくなった。

 「おい、青木班の二人は裏、取ったか?」

 「はい。二人ともシロでした」

こんな会話が交わされるに至っては、すでに 「王子様探し」 と
いうより 「犯人探し」 の様相を呈していた。

そして、その名簿に載せられた全ての名前が黒く塗りつぶされても
『王子様』 は見つからなかった。


 ***


 「堂上教官、最近ウワサになっているのご存知ですか?」

 「は?」

偶然、隊員食堂で行き会った安達にそんなことを言われたのは
「王子様探し」 に行き詰っていたときだ。

郁はトレイを返しながら怪訝な顔で安達を見返した。

 「どんなウワサされてんの?あたし」

安達は郁と話せるのが嬉しいのか、笑顔で答えた。

 「笠原がまた 『王子様探し』 をしているらしいって...」

郁の苦い表情には気付かず、安達は更にトドメを刺した。

 「『また』 ってことは堂上教官、前にも 『王子様探し』 をしたことが
  有るんですか?」

 「...さあ、一体何のことやら」

郁は精一杯シラを切ったが、声が裏返ってしまったのは仕方の
ないところだ。

ぎくしゃくしながら 「じゃ、あたし急ぐから」 と、あたふたと食堂を
出て行く郁を見ながら安達は首を傾げた。


 ***


課業後、郁は日報を書きながら昼間の安達との会話を思い出して
ため息をついた。

 「どうしたの? ため息なんかついちゃって」

小牧が軽い調子で声を掛けて来たが、郁の様子はますます下降
したように見えた。

 「いや、何で見つかんないのかなぁって思って」

 「ああ 『王子様』 ね」

心得たように小牧が頷く。

 「そうだねぇ。あとは 『自分だ!』 って主張してない奴らにも
  当たってみるしかないか」

そのとき、事務所の奥からポツリと声が聞こえた。

 「そう言えば最近、俺も女の子を助けたことが有ったなぁ」

堂上班の全員が一斉に振り向くと、緒形が黙々と書類を処理
していた。

 「緒形副隊長、それ、ホントですか?」

郁が勢い込んで尋ねる。

 「ああ。でも女子高生じゃなくて、もっと小さい女の子だったぞ」

緒形は顔を上げると郁を見て、さらりと言った。

郁がおそるおそる緒形に質問する。

 「念の為にお尋ねしますが、その場所は?」

 「えーと。確か立川駅近くだったかな?」

 「「「合ってる...」」」

堂上と小牧と手塚が同時に呟いた。

 「その女の子の服装は?」

 「良く覚えてないけど、確かミニスカートだったような...」

 「「「合ってる...」」」

郁が叫んだ。

 「王子様は緒形副隊長だったんですかっ!」

 「いや、だから小さい子でとても女子高生には見えなかったぞ」

緒形は顔の前で "違う違う" と手を振ったが、郁は見ても聞いても
いなかった。

 「間違いないですよ!状況が一致しています。やったぁ!
  王子様が見つかった―――」

小牧と手塚にハイタッチをしている郁を横目に見ながら、堂上が
緒形の側に歩み寄った。

 「緒形副隊長、多分アタリですよ」

他には公開していなかったが 「王子様は背が高い」 というのも
一致している。

 「そうなのか...?」

頷いた堂上に緒形は 「早く言わなくて悪かったな」 と呟いた。

そして 『王子様!』 を連呼して騒いでいる郁を見ながら

 「確かに 『王子様』 と呼ばれるのは気恥ずかしいもんだな...」

緒形と堂上はどちらともなく顔を見合わせるとため息をついた。


その後、姉と共にお礼に図書特殊部隊を訪れた 『女子高生』 を
見て、隊員達の誰もが 「あ、これは勘違いしても無理ないかも」
と思った。

少女はとても愛らしい風貌だったが、身長が150cmくらいで
とても小柄だったのだ。


 ***


女子高生が図書特殊部隊に訪れた日の夜。

郁は静佳の携帯に報告の電話を掛けた。

すると 「ちょっと貸せ」 と、堂上に電話を強引に取られた。

 「お前、頼みに来たとき 『女子高生』 って連呼してたけど、
  実際にはもっと幼く見えるって最初に言っとけよ。 お陰で
  いらん手間が掛かった」

 『あー、そーだったの? ごめーん。 あたしも彼女の妹とは
  会ったこと無かったからー』

サラリと言われ、堂上は仏頂面で電話を郁に返した。

 「えーと。静佳さん?」

 「あ、郁ちゃん?結局、兄貴も探してくれたんだー。自分は手を
  出さないとか言ってたくせにー」

電話口で静佳が思い切り笑っているのが分かる。

 「あー、うん。話せば長くなるんだけど、いろいろ有って。何だか
  見ていられなかったみたいで」

 「あはは~。可愛い奥さんをほっとけなかったかー 
  まあ、分かってたけど」

 「分かってた?」

怪訝な声で返してきた郁に

 「ううん。こっちの話。今回はありがとねー。今度埋め合わせ
  するって兄貴に言っといてー」

静佳は電話を切る最後の最後まで笑っていた。


 「お前、分かっただろ?」

 「何をですか?」

渋い顔の堂上が郁に言った。

 「あいつと関わるとろくなことが無いって!」

 「でっ、でも、静佳さんも妹さんとは会ったこと無かったそうだし、
  今回は仕方なかったんじゃ...」

郁が思わず静佳の弁護をすると

 「分かってる。だから言ってるんだ。あいつに悪気は無いんだ、
  いつも。でも毎回迷惑をこうむるのはこっちだ。しかも悪気が
  ないから責めることも出来ない」

全く、タチが悪い。

堂上の呟きが聞こえて郁は思わず笑みを零した。

どうやら静佳は真正のトラブルメーカーのようだ。


そうだ!

郁が思い出したように手を打った。

 「篤さん、何でも一つだけ言うことをきく約束!」

郁が小首を傾げて堂上に促す。

堂上は少し何か考える様子を見せたが、郁の顔を見ずにそっぽを
向いて言った。

 「お前、隊の連中に何か言われてもあんまりムキになって
  突っかかって行くなよ」

 「はい――?」

そんなこと、郁が郁である限り無理だと分かってはいたが、やはり
夫として言わずにはいられなかった。

 「えーと。もしかしてヤキモチ焼いてます?」

郁は仏頂面で答えない堂上の肩に両腕を回すと、自分より
わずかに低いその肩に額を乗せた。

 「あたしのこと、誰も女だって思っていませんよ」

 「.....」

 「篤さん以外には」

確かに特殊部隊の仲間達は普段スチャラカなくせに大人だ。

そんな心配をしているわけではないが、面白くないものは
面白くない。

それに、こいつはいろんな意味で本当に自分を分かっていない。

堂上にとって、郁の心配なところと愛しいところはイコールで
繋がっている。

 「...ああ、そうだな」

ひとつため息をつくと、堂上は郁の背中に腕を回して抱きしめた。


 ☆ 長かった―― 私にしては!(笑)
   さり気に堂上夫妻、ベタ甘仕様ですvvv
   
  
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