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堂郁 《童話》 アンソロジー

堂郁 《童話》 アンソロジー 「Children's Story Books」
堂郁 《童話》 アンソロジー 「Children's Story Books (仮)」

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りか

Author:りか
好きな作家(敬称略)
有川浩、小野不由美、荻原規子、茅田砂胡、雪乃紗衣、他。
好きなマンガ
持ってるマンガの半分くらいは白泉社コミックスです。
小説もマンガもアニメも映画もドラマも。
ハマッたら最後、何でも語ります!(笑)

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カミング・ハピネス

今回の図書館SSは 「カミング・ハピネス」 です。

DVD5巻のブックレット 「ウェイティング・ハピネス」 の
後日談になります。
(私にしてはちょっと長めです)
てなワケで、思いっきりネタバレしてますよんvvv

カミング・ハピネス


 「あの人は本当に大人気ないっ!」

その晩、官舎のリビングで堂上が郁に憤然として言った。

堂上がいう 「あの人」 が誰なのかも、何が 「大人気ない」 のかも、
想像がついている郁は思わず笑いをかみ殺した。


それは 『 囲碁を覚えろ 』 との隊長命令が下り、堂上が何とか
ルールを覚えた頃のこと。

休憩時間に無理矢理 「一局だけ」 と付き合わされた。

たっぷりハンデを付けてくれたのは良かったが、その上で
こてんぱんにのされた。

玄田に指導碁など、器用な真似が出来るはずも無い。

堂上の感覚からすれば、元々さして興味の無かったものを無理に
やらされた挙句、好きに弄られたようなものだ。

そして、一面真っ黒の盤面を眺めて玄田が放った一言が、

 「つまらん」

ここで堂上がブチッとキレた。

これが小牧あたりなら 「俺に隊長のお相手は無理です」 とか
さらーっと流して、隊長の 『遊び相手』 のターゲットから逃れるの
だが、あいにく堂上は元々負けず嫌いである。

このとき、その負けん気がむくむくともたげて来ていたのは傍から
見ても明らかだった。

実はこれこそが玄田の策略で、頭に血が上っている当事者の
堂上と空気の読めない郁以外はそのことに気付いていた。

他の連中が、隊長のお守を堂上に押し付けられるこのチャンスを
見逃すはずもない。

対局している二人を野次馬のごとく取り囲みはやし立てる。

 「堂上、いくら何でもこれは情けなくないか?」

 「お前、いくつ置石もらってんだよ!」

自分だって打てないくせにやいのやいのと騒ぐ仲間達に、さすがに
ここは夫の弁護をしなければならない場面だろうと思った郁が口を
挟みかけたが、すかさず妨害される。

堂上は凝り性で、凝り始めるともうトコトンだ。

この場でしてやったりとほくそ笑んだのは隊長だけではなかった。


そして犠牲者がもう一人。

 「手塚。お前、親父に仕込まれて打てるんだってな!
  黙ってた罰だ。相手しろ」

隊長にこう言われては手塚に拒否権は無い。

結局その後、隊長の囲碁のお相手は堂上と手塚の二人が
受け持つこととなった。


 ***


それは隊長との "因縁の対局" の日からしばらく経った堂上班の
公休日のこと。

この日、堂上と郁は稲嶺邸を訪問していた。

あの後堂上は隊長に一泡吹かせるべく、隊長の囲碁の師であり
引退した前司令でもある稲嶺に連絡を取ったのだ。

『囲碁の教えを乞いたい』 と伝えると、稲嶺はそれはそれは喜んで
堂上の申し入れを受けてくれた。

 「お前、ホントに付いて来るのか?」

 「だって、柴崎にはふられちゃったし。
  あたしも久しぶりに稲嶺司令にお会いしたいもん」

折角の公休に堂上が囲碁を習いに行くという。

それで郁は出来るだけ堂上班と合わせて休みを取っている
手塚夫人を電話でショッピングに誘った。

しかし、この日は手塚の実家に行くことになっているという。

電話口で郁は思わず知らず愚痴っぽくなってしまった。

 「篤さんってばこないだの隊長との対局以来、家でも囲碁の本を
  読んでいるんだよ。相手してくんなくてつまんないよ」

 「それじゃ、いっそあんたも一緒にやれば良いじゃないの」

郁がぷうっと膨れた声を出す。

 「あたしに囲碁なんて出来るはずないじゃない!」

 「...まあ、それもそうね」

あっさり納得されるのも何となく癪に障る。

それにしても...と、柴崎が電話を持ち直す気配がした。

 「堂上教官と隊長の対局の顛末は光から聞いているけど、
  ウチだって他人事じゃないのよ」

あれ以来、堂上が頑なに隊長との対局を拒んでいるのでもっぱら
現在のお相手は手塚だ。

 「あんたんとこはともかく、ウチはまだ新婚なんですからね。
  ほどほどにして貰わないと」

 「そうは言っても、あの隊長相手にどうやって?」

 「そんなもん自分で考えて貰うわ。あたしはそのくらいの甲斐性は
  有る男と結婚したつもりよ」

手塚、気の毒に...と郁は思ったが、モチロン口には出さない。

 「あんたもね、それがもう避けられないことなら一緒に楽しむ方法を
  考えた方が良いわよ」

ふむ。なるほど。 " 一緒に楽しむ " ...か。

電話を切ったあと、郁はしばらく考え、柴崎の前向きなアドバイスを
受け入れることにした。


 ***


 「やあ、二人とも良く来てくれましたね」

稲嶺は笑顔で堂上夫妻を迎えて入れてくれた。

 「ご無沙汰しています。この度は私の無理な願いをお聞き入れ
  下さってありがとうございます」

堂上が折り目正しく挨拶をする。

 「なんの。囲碁を始める人が増えるのは本当に嬉しいんですよ」

そこで稲嶺はチラリと郁の方へ目をやった。

 「笠原さんにはつまらない思いをさせてしまうかも知れませんが」

慌てて郁が手を振る。

 「そんなこと無いですっ!あたしは稲嶺司令にお会い出来ただけで
  嬉しいですからっ!」

 「おやおや、ご主人を前にして嬉しいことを仰って下さる」

珍しく稲嶺がからかい口調で言った。

 「あっ、や、えっと。そうなんですけど。でも、あの...」

頬を赤くして口ごもった郁の頭を、堂上が横からぱこんを叩いた。

 「アホウ。そんな反応されるとこっちが照れる」

そう言う堂上の耳も少し赤くなっている。

稲嶺はくすくす笑うと二人を家の中へと招き入れた。


 「わあ、前と全然変わっていませんね」

居間に通された郁が部屋の中を見回し、次いで庭を見て声を上げた。

そろそろカミツレも終わる時期だったが、下生えのあちこちにはまだ
白い花が咲いていた。

 「ええ。堂上君と笠原さんがこの家に警護に来ていた頃から
  模様替えとかしていませんしね」

稲嶺が懐かしげに微笑んだ。


数年前の当麻事件。

作家・当麻蔵人の身柄を巡って図書隊とメディア良化委員会の
攻防戦が繰り広げられ、そのときに当麻の二つ目の隠れ家として
選ばれたのが、ここ、稲嶺の自宅であった。

ほんの一時、三人がそれぞれに当時に思いを馳せた。

 「あの頃、この家に当麻先生の護衛に来ていたあなたがたを見て、
  この二人は近い将来きっと結ばれると思ったものです」

 「えっ、ええっ!」

郁が大声を上げた。

 「あっ、あたし達そんなにダダ漏れだったんですかっ!」

それも有りますが...と、稲嶺は穏やかに微笑んだ。

 「笠原さんのあの面接を知っている者ならそう思ってもおかしくは
  ないでしょう」

いやいや、私の長い図書隊人生でも五指に入るくらい衝撃的な
面接でした、と笑う稲嶺に郁は真っ赤になった。

 「それに、今回の訪問を玄田君に知られないよう口止めする
堂上君を見て、昔堂上君がした "口止め" を思い出しましたよ」

堂上は稲嶺にそんな口止めをしたのか...と、思わず夫を見たが、
その夫が昔したという "もう一つの口止め" が気になり、郁は
稲嶺に向けて首を傾げた。

 「あの面接のあと、堂上君より箝口令が敷かれました」

 「ええっ!そうだったんですかっ!」

道理で自分だけがずっと知らなかったわけだ。

あのときの三正の見計らいは結構大きな問題になったらしいのに、
郁が面接のときに語った 「運命の図書隊員」 が堂上だと、面接官
だった上司達が知らないはずも無い。

手塚慧により 「王子様=堂上」 と知らされたとき、面接官たちの
笑いの意味に気付いたが、今また再認識してしまった。

 「何で、口止めなんかっ!」

思わず食って掛かると、堂上は仏頂面で郁から目を逸らした。

 「お前の方は俺の顔すら覚えてなかったのに...言えるかっ!」

郁はうっ、と怯んだ。

それを言われると一言もない。

二人の間に稲嶺がさり気なく割って入る。

 「でも、そう思った一番の理由は別に有るんですよ」

首を傾げて、二人同時に稲嶺の方を向いた。

 「あなた達は付き合う前の私と妻にそっくりでしたから」

堂上と郁は顔を見合わせると、まるで約束したように二人して
頬を赤くした。


そう言えば...と稲嶺が話を変えた。

 「玄田君はどんな様子ですか?」

 「は? どんな、とは?」

意味の分からない堂上は首を傾げたが、代わりに郁が答えた。

 「こないだ折口さんが事務室に来たんですけど、左手の薬指に
  指輪をしてましたっ!」

玄田のことを訊かれたのに折口のことを答えた郁に、堂上が
ますます怪訝な顔をした。

もうっ!篤さん鈍いっ!

郁は堂上には構わず、稲嶺の方に乗り出した。

 「あの感じだと、きっと還暦まで待たなくても大丈夫みたいです!」

 「そうですか。それは良かった。はっぱを掛けた甲斐が有ったと
  いうものです」

稲嶺が嬉しそうに笑う。

 「それと緒形君の方の首尾は?」

 「今、関東図書基地では緒形副隊長の "18年ロマンス" の噂で
  持ちきりですっ!」

それはまた...と、今度の稲嶺の笑いは苦笑に近い。

 「お前な...」

堂上が頭を抱えた。

 「言っとくけど発信源、あたしじゃないからね」

 「じゃあ、誰だ?」

その頭を抱えている堂上の隣で郁がしれっと答えた。

 「進藤三監」

堂上の何とも言えないような顔に対して、稲嶺は愉快そうな顔をした。

 「進藤君も相変わらずやんちゃなようですね」

進藤を "やんちゃ" と言えるのはきっと稲嶺だけだ。

 「私の元に朗報が届くのはそう先ではないようだ」

稲嶺はそう満足げに呟くと、始めましょうかと堂上を碁盤が用意
してある縁側のテーブルに誘った。


 ***


 「郁、終わったぞ」

対局が終わり、堂上が居間のソファに座っている郁に声を掛けると、
郁は気持ち良さそうに眠っていた。

一つため息をついた堂上が郁の肩を揺する。

 「ん...」

目を覚ました郁が堂上を見上げて、もう終わったの....と呟いた。

 「お前、本当にどこででも寝られるんだな」

呆れたように言う堂上に郁が照れたように笑う。

 「何だか、パチンパチンって碁石を置く音が心地よくてつい...」

そんな二人の様子を見ていた稲嶺が破顔した。

 「妻も同じようなことを言っていましたよ。
  "貴方の石を打つ音が好きだ" と」

堂上と郁は互いに目配せをするとくすりと笑い合った。

稲嶺は肩をすくめると、澄まして言った。

 「おや、のろけてしまいましたかね?」

 「はいっ!それはもう、盛大にっ!」

間髪を入れずに言った郁の言葉に、その場に居た全員の笑いが
弾けた。


 ☆ ホントはコレ、ゲスト参加させて頂く 「コレクション本」 用に
    書いたんですワ。

   んで、姪っ子に 「ストックSS」 とコレの両方を読ませたら
   いつもは 「ふーん。良いんじゃないの」 としか言わないのに
   今回は珍しく「ストック分の方がイイ」とはっきり言いましたので。

   とゆーわけで、こちらはブログで公開しましたvvv

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コメント

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面白い~!!

こんにちは、
楽しかったです。
又、書いて下さい。
最近、落ち込んでたので、元気でました~。ありがとうです。

意外…

無茶なことで有名な玄田隊長が囲碁を打つなんて意外でした。堂上と手塚は災難ですね。原作のブックレットも読みましたが、白と黒は逆ではありません?強い方が白を持つはずです。黒が先手で白が後手なので。

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