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堂郁 《童話》 アンソロジー

堂郁 《童話》 アンソロジー 「Children's Story Books」
堂郁 《童話》 アンソロジー 「Children's Story Books (仮)」

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りか

Author:りか
好きな作家(敬称略)
有川浩、小野不由美、荻原規子、茅田砂胡、雪乃紗衣、他。
好きなマンガ
持ってるマンガの半分くらいは白泉社コミックスです。
小説もマンガもアニメも映画もドラマも。
ハマッたら最後、何でも語ります!(笑)

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SS、頂きましたvvv 完全版

昨日公開させて頂いた koyaさんのSS 「 Dandelion 」 ですが
私の不手際で後半部分が丸々抜け落ちていました。

初めて書かれたSSをせっかくウチに委託して下さったと
いうのに、こんな失敗をしてしまうなんて...(涙)

もうもう、本当に申し訳有りませんでした。

koyaさんには勿論のこと、読んで下さった方々にもご迷惑を
お掛けしてしまい、おわびの言葉も有りません。

今回、後半部分を加えて掲載した 「完全版」 をお送り致します。

(ぢつわ、この後半部分こそ...悶えますっ!!!)

 「 Dandelion 」


ふとした時に夏の気配を感じるようになってきた、そんな季節の
小さな出来事。

「お疲れ様でーす」

郁が事務所に戻ってきた。

今日は業務部のイベントの手伝いで、一日中館内と周辺を歩き
まわっていたのだ。

「お疲れ、笠原さん。…と、あれ?何を持ってるの?」

小牧が声を掛ける。

郁はえへへーっと笑って手に持っているものを掲げた。

白い綿毛になったタンポポだ。

「さっき館内にはいるとき、外で遊んでた男の子にもらったんですよ。
 なんか懐かしくなっちゃって、捨てるのもかわいそうで
 もってきちゃいました」

そうっとデスクに置き、椅子に座る。

「そんなものが懐かしいのか?タンポポなら道端によくあるだろう」

 手塚が不思議そうに首をかしげる。

「うーん、まぁそうなんだけど。うちの実家ってほら、田舎でしょ?
 家の近くの空き地に一面タンポポが咲くところがあってさ、
 子ども心にもすごくきれいだったんだよねー」

小さい頃は兄たちとよく駆け回った。

綿毛の季節になるとわざと蹴るように走りまわり、誰が一番綿毛を
飛ばせるかなどと他愛もない競争などしたものだ。

「笠原さんが元気に駈けまわってる姿が目に浮かぶようだねー」
 
嬉々として思い出を語る郁に小牧が言う。

「まぁこいつは田舎の山猿ですからね」

「ちょっと手塚!アンタ一言多いッつーの!」
 
郁が手塚の椅子を蹴飛ばそうとしたとき、

「笠原」

「はっ、ハイ!」
 
堂上が郁をちらりと横目で見ながら言った。

「昔話も結構だが、まずは自分の業務を終わらせろ。お前は
 業務報告を書くのが遅いことを自覚してるのか?」

「うー。わかってますー」
 
言いながら恨めしげに手塚を見る。

「手塚はとっくに提出済みだ」
 
郁の視線を先回りして堂上が言う。

「まぁまぁ堂上、少しくらい良いじゃない。業務終了までまだ少し
 あるんだからさ。今日は笠原さん大活躍だったでしょ?」

「小牧、そうやって笠原を甘やかすと調子に乗るからやめろ」

「甘やかすって……」

自分の過保護を棚に上げてよくいうものだ。

「昔話なんぞ部屋で柴崎とでもしゃべっとけ」
 
何か言いたげな小牧の視線を振り払うように、堂上は言い放つ。

「えー。柴崎はたぶん同調してくれないしー。タンポポなんて
 ちっぽけな野草は気にしたことがないとか言いそう」

「確かにあいつなら言いそうだな……」

「あ、手塚もやっぱりそう思う?」

ペンを持ったものの、なかなか書きだせず所在無げにもて
あそんでいた

郁は、手塚の同意に気をよくし椅子ごと振り向いて再び話に
夢中になる。

「笠原さんが野原の可愛いタンポポなら、柴崎さんは手入れが
 行き届いたお庭に咲いている薔薇って感じかな?
 美しい薔薇にはなんとやらってね」

「わ。小牧教官うまい!」

確かに自分を美しいと臆面もなく言い放つ柴崎にはあっていると
言える。

が、最後のなんとやらは本人に知れたらあとが怖いのでは
なかろうか。

「……小牧二正。それ、柴崎に知れたら」

「手塚?」

「はい」

「手塚は賢いから、まさか柴崎さんに知られるようなヘマはしない
 よね?」
 
にこやかな笑顔だが有無を言わせぬ迫力に手塚はこくこくとうなずく。

少し口調を和らげて『笠原さんも気をつけてね?』と言われた郁は、
冷や汗をかきながら『ハイッ』と敬礼を返す。

「笠原!」

「ハイィィィ!」

堂上の一喝にあわてて郁はデスクに向き直った。

その勢いに、先ほど置いたタンポポが転げ落ちる。

「あっ……とっと……」
 
郁が両手で下からすくいあげた瞬間、ふわりと綿毛が舞い上がった。

そのまま館内の空調にのってふわふわと飛んで行く。
 
そして、ふわりと落ち着いた先は、背を向けた堂上の肩先だった。
 
んー。やっぱり取ってあげた方がいいよね。
 
躊躇したもののやはり気になってしまったので、郁はまた怒られない
ようにとそおっと手を伸ばして綿毛をつまもうとした。と、そのとき。

「おい、笠は―――」

堂上が振り向き、――――指先が凍りついた。


**********


まったく。どうしてこう、こいつは子どもなんだ。
 
無邪気な笑顔でタンポポの話をする郁に、堂上はそっと溜息をつく。

毎日のように報告が遅いことを叱られながら、それでも小さな話に
すぐ夢中になってしまう。
 
本当のところ、堂上は郁のこの無邪気な話が嫌いなわけではない。
 
無駄話と切り捨てることもできるが、多少他愛もない話をしたところで
業務に大きく支障が出るようなことがないのはわかっている。

むしろ郁がどんなふうに育ったかが容易にわかるエピソードばかりで
微笑ましく、職場の重い空気をやわらげてくれるためありがたいとも
いえるくらいだ。

が、上官である以上はある程度のところで切り上げさせてやるのも
務めと言えよう。

「笠原!」

「ハイィィィ!」

強めに一喝すると同時にガタガタと椅子を引く音がし、郁がデスクに
向かったことがわかった。

どうせまた縮こまって頭を悩ましているのだろう。いつものことだ。

「おい、笠は―――」
 
『コーヒーでもいれてから書いても遅くはないぞ』先ほどの叱責の
フォローのつもりで言おうと振り向き、――――顔が凍りついた。


**********


郁が堂上の肩についた綿毛を取ろうと手を伸ばしたとき、急に
堂上が振り向いた。

……一瞬、何が起こったか郁には理解できなかった。
 
伸ばした指先は、振り向いた堂上に否応なく触れた。

触れたその先は……唇。
 
数秒の沈黙の後、

「…!ッな……!」
 
ガタガタッと堂上が椅子ごと後ずさり、反射的に手の甲で口を
押さえた。

「キャァァ―――――――――?」

そこにきて、郁は何が起こったかを理解し瞬時に真っ赤になった。

慌てて手を引っ込めて叫ぶ。

「すすすすみませんっ!肩についたタンポポの綿毛を取ろうとして!
 決して堂上教官の唇を触ろうとしたわけでは!」

「当たり前だ!アホウ!」
 
郁は顔を真っ赤にしたまま 『コーヒー入れてきます!』 と叫んで
給湯室に消えた。

同時に堂上も冷静さを取り戻し、ふーっと息を吐き出すといつもに
もまして不機嫌な顔になる。

耳が若干赤いのは見間違いようもないのだが。

「……くっ……」

すぐ横で小牧が身体を折って笑っていた。
必死でこらえるも収まりようもない。

「ど、堂上……お前、さ……」
 
その反応は一体、何!?

「……うるさいぞ。小牧」
 
仏頂面で言う堂上の声も、先ほどの失態で力がない。

「……だ、だって……!!」
 
いくら不意打ちだったとはいえ、30にもなろうとする男が少し指先が
触れたくらいでその反応は…

…あまりにも、余裕がない。

「ご……ごめん。だ、だめだ……!っく、あははははは!!」
 
妙齢の男女による絵にかいたようなラブコメなど、見せられた方は
たまったものではない。

「小牧!!お前、業務終わったなら帰れ!」
 
本格的に上戸に入った小牧に堂上の声は届くわけもなく、郁は
真っ赤な顔を隠すかのようにデスクに向かって必死でペンを走らせ、
手塚はどうすればいいかわからずに困った顔で二人の上官を
見るのだった。


**********


その日の夜。

「や、ビール持って来たよ」
 
風呂上がりの小牧がビールを片手に堂上の部屋を訪れた。

「小牧か」
 
なんとなく来る予感はしていた。
堂上は顔をしかめる。

「からかいに来たなら帰れ」

「からかわれることをした自覚はあるんだ?」
 
ぐ、と言葉に詰まり、堂上はとりあえず手渡されたビールの
プルトップを開けた。

頼りになる同僚で気の置けない友人でもあるこの男には、
何を言おうが口で勝てないことはわかっている。

そうなると堂上のとる方法はただ一つ。沈黙のみ。
 
そんな様子を見ながら一緒にビールを飲んでいた小牧だが、やはり
そんな小さな抵抗の沈黙すら許してくれるつもりは毛頭ないらしい。

「なんだって、あんな反応したのさ。今まで通りだったらそのくらい
 かわせたでしょ?」
 
直球で追及の台詞がかけられた。
 
堂上は眉間にしわを寄せ、ごくごくとビールを飲んだ。

何をどこまで言うべきか一瞬迷う。が、黙っていたところでこいつは
素直に帰ってはくれまい。

「……指」

「え?」

「あいつの手は生傷が絶えないのに、指先はきれいだったんだ」

業務部と違い特殊部隊にいる郁は、訓練もあるせいで女性としては
申し訳ないくらい小さな傷は絶えない。

だが、あの時触れた指先は柔らかく滑らかで……。
 
堂上はあの一瞬を思い返す。

確かにいつも通りであれば大したことなく流せたとは思う。

が、あの時は郁の話につい気持ちが緩んでいた。

だから、驚きと同時につい思ってしまったのだ。

「……そのまま口づけたくなるくらいに?」

「!!」
 
見惚れたかくらいのことは言われると覚悟していたが、予想外の
言われ方にゲホゲホッと思いきりむせる。

そんな堂上の様子を小牧は面白そうに見ると

「まぁ、俺も人のこと言えた義理じゃないけど」
 
そう前置きをしつつ、

「もう、いい加減腹をくくれば?」

『蓋をしたってどうなるものでもないでしょ?』

視線はそう言っている。

「……放っておけ」
 
言葉に出さなくても小牧の言いたいことは痛いほどに分かっている。

が、だからといってそれに従う理由はないし、今はそうするつもりも
ない。

「相変わらず強情だね」

「性分なんだ。そのくらいわかれ」

「そりゃまぁ、わかっちゃいるけどさ」
 
あまりにわかりやすい二人の態度を見ていると、つい口を出したく
なるのは仕方ないとも言えよう。

「いらん世話焼くな。おまえの柄じゃないだろう」

「はいはい」
 
苦笑いしてビールを飲み干すと、『明日の笠原さんが楽しみだねー』
などと言いながら小牧は退散した。

堂上が言い返す前にパタンとドアが閉じる。

「……ったく、どうしろって言うんだ」
 
自分の唇に触れた指先。滑らかで、ともすればそのまま吸いついて
しまいそうに華奢で柔らかで。
 
そんなことを一瞬でも思ってしまった自分に動揺した。

そう、完全に虚をつかれたのだ。

「……クソッ」
 
いったい俺はいくつのガキだ!?
 
どぎまぎした気持ちがよみがえりそうになった堂上は、振り払うかの
ようにビールをあおり、すでにそれが空だったことに気づいて
ぐしゃりと缶を握りつぶした。


**********


堂上教官に触っちゃった……。
 
部屋に戻った郁は、今日のことを思い返して自分の手をじっと
見つめた。
 
あのあと必死で報告書を提出し、堂上の顔をまともに見られない
まま帰って来たのだ。

もちろん、堂上の方は全くいつもと変わらない態度ではあったの
だが。
 
夕食を食べ風呂を済ませて部屋に戻るまではあまり意識しないで
いられたものの、いざ部屋で落ち着くとつい思いだしてしまう。

「うー。どうしよう。明日」
 
向こうはもう気にも留めていないだろうが、こっちはそう簡単に
流せない。
 
良く考えてみると、頭をなでられたり向こうから触られたことは
あっても自分から触れたことなどない。

教官どころか男性の、しかも唇になんて生まれて初めての経験だ。

「キャ――ッ」
 
改めてその事実に気づき、ドキドキしてきた郁は思わず枕を
抱きしめて足をバタバタさせる。
 
触れた瞬間、時間が止まったかと思った。

そして、指先の感覚と一瞬見た表情にドキリと心臓が高鳴った。

「……あんな表情、反則です。教官」
 
郁は小さくつぶやく。

一瞬とはいえ、まるで指先にキスされたかと錯覚を受けるような
甘いともとれる表情。

普段見られない分、郁にとってはとんでもない破壊力だ。
 
……本当はもうちょっと触れていたかったなーなんて……
やだっあたしったら!
 
想像してまたもや頬を熱くした郁は、それでもうっとりしながら、
熱を帯びたその指先をそっと自分の唇に押しあてた。


**********


 ……まったく、この純粋培養乙女は。
 
少し離れた場所から様子をうかがっている柴崎はふぅっと
ため息をつく。

「面白いっちゃー面白いけど、さ」
 
携帯をいじりながらひとりごちるも郁には聞こえてる様子はない。

「見てるこっちが恥ずかしくなるってものよねー」
 
小牧から”妙齢の男女による絵にかいたようなラブコメ”の一部始終を
教えてもらった柴崎が、その後の郁の様子を一瞬たりとも見逃すわけ
がない。

そして、すっかり自分の世界に入ってしまっていた郁には、さりげ
なさを装いつつも鋭い視線で観察しているこの友人が、うっすらと
赤い頬で間接キスをしている自分をこっそり携帯で撮ってたこと
などに気づくわけもない。

「さーて。これをどう使おうかしらねー?」
 
もちろん小牧教官には失言の分の働きはしてもらわないと
ならないしー?
 
当然ながら、小牧がうまく避けた会話の分もすでに入手済みの
柴崎は、あーでもない、こーでもないと策略を頭でめぐらし、
はたから見れば女神のような―

―知ってるものから見れば悪魔のような―

―美しい笑みを浮かべるのだった。

                                             
fin


(了解を得て原文の改行位置を変えています)


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