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堂郁 《童話》 アンソロジー

堂郁 《童話》 アンソロジー 「Children's Story Books」
堂郁 《童話》 アンソロジー 「Children's Story Books (仮)」

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りか

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有川浩、小野不由美、荻原規子、茅田砂胡、雪乃紗衣、他。
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小説もマンガもアニメも映画もドラマも。
ハマッたら最後、何でも語ります!(笑)

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ジュエル・ボックス 歓迎会編

今回の図書館SSは 「ジュエル・ボックス 歓迎会編」 です。

郁と手塚が特殊部隊に配属されたとき "歓迎会" と称して、きっと
呑み会が有ったと思うんですよねーvvv

なんつっても、呑み会好きな特殊部隊のコトですから~♪

てなワケで、時期は正化31年の初夏辺りになります!

ほほほ。 「ポエマーどじょ」 に語って頂きました。(笑)


ジュエル・ボックス 歓迎会編


今日は郁と手塚の歓迎会が催される日だ。

会場はいつもの "特殊部隊ご用達の店" の一室を予約してある。

今回の呑み会は隊長の玄田のお声掛かりなので、夜勤以外の者は
全員参加だ。

そうでなくとも呑兵衛揃いの特殊部隊だ。

酒呑みが何かと理由を付けて呑みたがるのは世の常である。


 ***


郁が座敷に足を踏み入れるとあちこちから声が掛かった。

 「おーい、笠原。こっちに来いよー」

 「笠原!こっちこっち!」

何とも、大変なモテようだ。

 「こんなのでも、居ると嬉しいもんか?」

手塚の呟きが聞こえたらしい緒形が苦笑した。

 「今まで特殊部隊の呑み会に女子が居たことは一度も無かった
  からな」

手塚には玄田隊長から声が掛かり、結局堂上班はバラバラに座った。

全員が席に着くのを見計らって玄田が音頭を取った。

 「手塚と笠原の入隊を歓迎してー」

全員がジョッキやグラスを持ち上げる。

 「「「「乾杯」」」」

あっという間に宴会に突入する。

堂上がさり気なく郁を目で探すと、郁はご機嫌で料理にパクついていた。

 「コレ、食うか? 旨いぞ」

 「はい!」

郁が受け取った料理を威勢よく平らげる。

 「ホント!美味しいです!」

 「じゃあ、こっちも食え!」

郁の食べっぷりに周りの隊員達が面白がって勧めているのが見て
取れた。

...餌付けされている...

郁が自分以外の者に懐く様子を見せるのは、何となく面白くないような
気がした。

けれどそんな思いは気のせいだと打ち消して、自分のグラスに専念する
ことにする。

しばらくして、ふと郁が座っていた辺りを見ると、郁が居ない。

 「笠原は?」

誰ともなしに郁の座っていた辺りの隊員に声を掛けると、揃って部屋の
端に置いてある衝立を指差した。

 「...?」

堂上がその衝立の裏側を覗くと、郁が猫の仔のように丸くなって眠って
いた。

さっきまで食いまくっていたのに、いつの間に!

振り返って、指差した隊員達をキッと睨みつけた。

すると、郁の隣に居た隊員がケタケタ笑った。

 「いやあ。笠原が呑みたいって言うもんだからさー」

 「...一体何を?」

するとその隊員がドリンクメニューを広げて2つのカクテルを指差した。

 「こんな度数の高いものをっ!」

 「そんなに心配しなくてもダイジョーブだって!王子様は心配性
  だなあ。」

堂上がぐっと言葉を飲み込んだ。

郁には有効に作用している箝口令も、隊の連中には無効だ。

 「...別に心配なんかしてません!」

ようやっとそう言った堂上に、周囲の爆笑が弾けた。


さあ、二次会に移ろうかという雰囲気になったとき、どこからか声が
聞こえた。

 「笠原、どうする?」

郁は未だ衝立の後ろで眠ったままだ。

その場に居た全員の視線が堂上に向かった。

無言でしかめっ面になった堂上が、わざとように目を逸らした。

そのとき、遠慮がちに手塚が発言した。

 「あの...上官に迷惑を掛けるのは申し訳ないので同期の俺が...」

義務感丸出しで言い掛けた手塚に、小牧が言葉を被せた。

 「あー、手塚はダメだよ。今日の主賓の一人なんだから。
  ね? 堂上班長?」

小牧が言外に含ませた意味は明らかだ。

 「ここは直属の上官が面倒を見るとしたもんだろう」

玄田の一声で話は決まった。

みんなの視線を受けて、堂上がため息をつく。

 「...分かりました。部下の面倒を見るのも上官の仕事の内
  でしょうから」

そのとき、あちこちから吹き出した気配がしたが、堂上はあえて
無視した。

そしてニヤニヤ笑いの視線も当然のごとく無視だ。

いかにも渋々といった態の堂上だったが、行動は早かった。

 「手塚、こいつを背負うからちょっと手を貸せ」

手塚の手を借りて郁を背負うと、堂上は二次会に向かう連中と別れて
ひとり基地への帰路についた。


 ***


もう昼間は汗ばむような陽気だが、夜はまだ涼しく風も有って心地
良かった。

そんな中、堂上は基地への道を郁を背負って歩いていた。

ふいに、郁の声が聞こえた。

 「...王子様...」

思わず、堂上の足が止まった。

一瞬硬直したが、思い切るように言葉を絞り出した。

 「お前、そのこと、いつから...」

知ってたのか、と言ったときの声はかすれていた。

無言で立ち尽くして郁からの返事を待つが、なかなか返事は来ない。

しばらくして背中から聞こえたのはかすかな呟きだった。

 「逢いたい...」

えっ? と、肩越しに背負った郁の顔を覗くと郁の目は閉じられていた。

 「何だ、寝言か...」

思わず口からこぼれたとき、我に返った。

俺はっ! たかが寝言に何を動揺してるんだっ!

郁のこととなると冷静でいられない自分に腹が立つ。

自己嫌悪にたっぷりと浸りながら、郁を背負った堂上は基地への道を
黙々と歩いたのだった。


 ***


やっとの思いで寮に着いたとき、堂上はすでに気力を使い果たしていた。

ロビーのソファに郁を寝かせて寮監室に向かう。

女子寮の寮監に事情を話して柴崎を呼び出してくれるよう頼み、やっと
一息ついた。

自室でくつろいでいる女がいきなりロビーに呼び出されてもすぐには
来られないだろう。

ましてや相手はあの柴崎だ。

5分やそこらは待たされるだろうと思った堂上は、呑み足りなかった分
を補充すべく自動販売機でビールを買った。

郁が寝ているソファの前に座ってプルタブを引き開ける。

 「...ったく。人の気も知らんと呑気に寝やがって...」

思わずひとりごちたとき、館内放送がかかった。

 「302号室の柴崎さん。同室の笠原さんが酔い潰れてロビーに
  居ます。堂上二正が搬送しますので引き取りに来て下さい」

堂上が呑んでいたビールにむせた。

すぐさま寮監室に飛び込んで苦情を言ったが女子寮の寮監にあっさり
いなされた。

 「あれじゃ俺が笠原を酔い潰したように聞こえるじゃないですかっ!」

 「そんなこと無いって! 考え過ぎよ? 」

笑って返す寮監は、堂上の剣幕に動じる様子は全くない。

いくら堂上が図書特殊部隊の一員だとて、人生のキャリアでは寮監には
遠く及ばないのだから。

 「何も俺の名前を出さなくても...」

尚も言い募ろうとする堂上を寮監が制した。

 「あー、ほらほら。柴崎さん、来たわよ」

堂上が振り返るとジャージ姿の柴崎がにこやかに会釈した。

 「すみません、堂上教官。ウチのルームメイトがお世話をお掛け
  します」

言葉こそ謝っているが、その顔と口調はとても申し訳無さそうには
見えない。

柴崎と二人でロビーに戻ると郁はソファでぐっすりと眠っていた。

 「あらまあ、良く寝てること。堂上教官、こいつをここまで潰し
  ちゃったんですか?」

堂上は憮然とした表情で言い捨てた。

 「俺が潰したわけじゃない。俺が気付いたときにはもうこうなって
  たんだ」

 「それなのに堂上教官が背負って来たんですか? 貧乏くじを引か
  されましたね」

言葉こそ労わっているが、その顔と口調はとても気の毒そうには
見えない。

堂上は柴崎の手を借りて郁を背負うと、柴崎の先導で女子寮に
向かった。

廊下を歩く先々で行き会う女子隊員達の意味有りげな視線が痛い。

わざわざドアを開けて覗く者も居て、非常にいたたまれない気持ち
だったがあえて無表情を貫いた。

これじゃまるで珍獣だな。

そう思ったが、その珍獣を従えて歩く柴崎はナゼかとても楽しそうだ。

そんなとき、廊下の向こう側から堂上より少し年かさに見える女子
隊員が声を掛けて来た。

 「おー。柴崎。お疲れ。」

 「あ、先輩。お疲れさまです」

柴崎が立ち止まり、丁寧にお辞儀をする。

どうやら業務部の先輩のようだ。

堂上としては早く郁を部屋に放り込みたかったが、部屋の場所を
知らない堂上は先導の柴崎が止まると待たざるを得ない。

その先輩はにんまり笑って柴崎と郁を背負った堂上を見比べた。

 「ああ、さっきの放送はコレかー」

 「ええ、全く困ったもんです」

先輩はにこやかに答える柴崎から、ついっと堂上の方に視線を
動かした。

 「堂上二正もお疲れさまなことですね」

 「...こいつの直属の上官だから仕方がない」

堂上の憮然とした返事にクスリと笑った先輩は、堂上に背負われた
郁の顔を覗き込んだ。

 「あらまあ! 安心し切った寝顔だこと!」

ナニやら含みを持たせた、思わせぶりなセリフだ。

返事のしようが無くて言葉に詰まった堂上に軽く会釈すると、その
先輩は柴崎に 「じゃ!」 と軽く手を上げて通り過ぎて行った。

ようやっと部屋に着いて、郁をベッドに転がした。

 「それじゃ、あと頼む」

言い残して部屋を出ようとした堂上に柴崎が声を掛けた。

 「ロビーまでお送りしましょうか?」

 「いや、いい。こいつの面倒を見ててくれ」

そう言ってパタンとドアを閉めた瞬間、堂上は柴崎の申し出を断った
ことを少しばかり後悔した。

一人で歩く女子寮の廊下は、さっきのいたたまれなさの比では無かった
からだ。

そして "郁を背負った堂上" が女子寮の名物になるのはもう少し後の
話である。


 ☆ 「ポエマーどじょ」 「郁の寝言」 「おんぶ」 3つ揃ったので
   「ジュエル・ボックス」 です。(笑)

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